XMで悪質なレバレッジ制限あり
XMにて不当なレバレッジ制限を受けたとの報告がされています。
もともと口座残高2万ドル以上でレバレッジ制限を受けるのは規約にも記載されていると思いますが、それとは別に数千万円単位の月次を叩き出すと個別にレバレッジ制限をかけて来るようです。
【FXブローカー】AbookとBbookの見分け方
FXブローカーにはAbookとBbookの2つの取引方式があります。
それぞれ大きなメリット、デメリットがあるので、自分のトレードスタイルや運用資金と相談して使い分けるべきだと思います。
ただ、Abook/BbookをFXブローカーの外見から見分けるのは難しく、正しく解説している記事もほとんどありません。
なので、この記事ではAbookとBbookのメリット&デメリットと正しい見分け方を解説していきます。
- FXブローカーとインターバンク市場について
- AbookとBbookについて
- Abookのメリット・デメリット
- Bbookのメリット・デメリット
- どっちのFXブローカーを使うのが良いの?
- 見分け方はあるの?
FXブローカーとインターバンク市場について
FXは銀行や金融機関のみが参加できる『インターバンク市場』と呼ばれる巨大な取引市場のレートを基準にトレードが行われます。
個人トレーダーでもプライムブローカー(銀行)と契約することでインターバンク取引に参加することが可能ですが、個人レベルには高額な契約コストと大きな取引量が必要なため現実的ではありません。
個人トレーダーはFXブローカーが提供する専用プラットフォーム(ブラウザ系やMT4など)を利用することで間接的に取引を仲介してもらっているのです。
FXブローカーはトレーダーとインターバンク市場を繋ぐ架け橋のような存在です。
リクイディティプロバイダ
毎日600兆円以上の莫大なお金が動く外国為替市場の中ではFXブローカーですら取引量が少ないため、インターバンク市場の源流であるメガバンクと直接取引することは稀です。
大抵のFXブローカーはリクイディティプロバイダ(LP)と呼ばれる業者と契約することで取引の流動性を確保しています。トレーダーがレートの変化をリアルタイムで確認できるのはリクイディティプロバイダーのお陰です。
トレーダーに提供されるレートが一番悪い
トレーダーが使用する取引プラットフォームには、リクイディティプロバイダが提示するレートにFXブローカーの取引手数料を上乗せした値が表示されています。
リクイディティプロバイダもFXブローカーに対して手数料を取るのでプライムブローカー⇒リクイディティ⇒FXブローカー⇒トレーダーとレートが小口に降りて来るにつれて悪くなっていきます。
AbookとBbookについて
世界中のFXブローカーはAbookとBbookの2種類の方式に分類できます。
それぞれでオーダーの処理方法が全く違います。
Abookとは?
Abookは、トレーダーのオーダーをインターバンク市場に流す方式です。
利益の根源は、トレーダーの買い注文、売り注文をインターバンク市場に仲介する取引手数料(スプレッド)です。
元来『ブローカー』には『仲介する』の意味があるので、FXブローカー本来の姿といえます。
Bbookとは?
Bbookは、トレーダーのオーダーを自社内で処理する方式です。
トレーダーの買い注文、売り注文をインターバンク市場に流しません。
ユーザーには『あたかも取引が行われたかのように見せます』が、全ての注文をFXブローカーの余力(資金力)でカバー(処理)しています。
俗に言う『ノミ行為』ですが、営業形態の一種であって違法ではありません。ABookが良い、Bbookが良いという話でもありません。
取引手数料よりも勝ちトレーダーの利益額(出費)と負けトレーダーの損失額(収入)の差による利益に重点を置きます。
Abookのメリット・デメリット
メリット
ブローカーが破綻するリスクが低い
AbookのFXブローカーは、経営破綻のリスクが非常に低いです。
理由は、トレーダーの注文を仲介する取引手数料だけで商いをしているので、為替の大暴落、大暴騰に経営状態を左右されないからです。
Bbookのデメリットで後述しますが、Bbookは〇〇ショックのような大暴落が起こった時に経営破綻するリスクが高くなります。
トレーダーにとってFXブローカーの経営破綻リスクが低い点は大きなメリットと言えるでしょう。
出金拒否・口座凍結のリスクが無い
AbookのFXブローカーは、勝ちすぎても出金拒否や口座凍結のリスクがありません。
トレーダーの注文を全てインターバンクに流しているので、トレーダーが莫大な利益を挙げたとしても利益の未払いやブローカーの資金ショートが起こらないためです。
出金拒否や口座凍結のリスクが無いので、大きな資金で取引するユーザーが増えやすい傾向にあります。FXブローカー全体の口座残高が増えれば取引手数料の総額も増えるので相乗効果が起こりやすいです。
よりリアルなレートで取引できる
AbookのFXブローカーは、リクイディティからのレートを提示するので、チャートのヒゲや実体がよりリアルなレートで表示されます。
チャネルやラインなどのテクニカルを活用するトレーダーにとって、インターバンク市場のレートをリアルに反映させたチャートが使えることは大変な意義があるよに思えます。
デメリット
スプレッドが大きく開くことがある
AbookのFXブローカーは、激しい相場変動が起こるとスプレッドが大きく開くことがあります。
インターバンク市場において激しい相場変動があると『トレーダーは100円で買いたかったのに100.03円で買ってしまった』というような事態が起こりえるからです。
これではFXブローカー側が損をしてしまうので、緩衝材としてスプレッドを開いて対応しています。
トレーダー目線だとスプレッドが開くのは嫌ですが、運用資金を預けるFXブローカーが破綻してしまっては元も子もありません。スプレッド変動はAbookのブローカーを使う上で受け入れなければならないデメリットのひとつです。
超ハイレバレッジ取引ができない
AbookのFXブローカーは500倍や1000倍等の超ハイレバレッジ取引を提供できません。
理由はインターバンク市場の源流であるメガバンクがレバレッジ5~20倍までしか受け付けていないためです。
AbookのFXブローカーがレバレッジを掛けて受けた注文は、流した先で買い注文と売り注文が相殺します。それに加えてブローカーの余剰金でトレードを行うので、Abookのブローカーが提供できるレバレッジはせいぜい100倍が限度です。
(厳密にはForexは100倍、XAUは50倍など取引銘柄により異なる)
なので、数百倍、数千倍の超ハイレバレッジ取引を提供するBbookのブローカーと比べるとトレーダーの資金効率が悪くなります。
Bbookのメリット・デメリット
メリット
平時のスプレッドが狭い
BbookのFXブローカーは、平時のスプレッドを狭く提供することが可能です。
なぜなら、メガバンクやリクイディティに取られる手数料が無くその分スプレッドを狭くできるからです。
平時のレンジ相場やトレンド相場ではAbookよりはるかに狭いスプレッドとなるので、スキャルピングやデイトレをする分にはAbookよりもBbookの方が向いています。
超ハイレバレッジな取引ができる
BbookのFXブローカーは、提供できるレバレッジ取引の幅が広いです。
近年は500倍、1000倍の超ハイレバレッジがすっかり定番になってきたように思えます。凄い所だと3000倍のレバレッジを提供するFXブローカーもあります。
なぜ超ハイレバレッジな取引を提供できるかというと
- 自社内で100倍を超過するレバレッジ取引をカバーできる資金力
- 全体ユーザーのうち負けトレーダーが圧倒的に多い
以上の条件が揃っているからです。
トレーダーの9割以上が負けると言われる現実は厳しいですが、レバレッジが高いほど資金効率よく取引できるのは事実です。少資金のトレーダーでもFXに参加できるのは大きなメリットです。
デメリット
ブローカーが破綻するリスク
Bbookは、ハイレバ提供の代償としてブローカー破綻のリスクが常につきまといます。
いわゆる『ノミ行為』なので、実際には行われていない取引でトレーダー側に利益が出てしまった場合、当然としてブローカーの損失になります。
(トレーダーの利益=ブローカーの損失)
そのため、トレーダー全体の利益が損失より先行し始めるとブローカーの経営状態を圧迫することになります。
平時は『9割のトレーダーが負ける』ので勝ちユーザーと負けユーザーのバランスが上手く取れていますが、何かの大変動でバランスが崩れた途端、最悪ブローカーの資金が尽きて経営破綻することが有り得ます。
過去にスイスフランショックが起こった時、大暴落の末に数多くのFXブローカーが経営破綻しました。
口座凍結・利益出金拒否
BbookのFXブローカーは、勝ちすぎると口座凍結・出金拒否されるリスクがあります。
『トレーダーの利益=ブローカーの損失』である以上、経営状態を圧迫する勝ちトレーダーは望む顧客対象ではないからです。
取引規約の禁止行為が曖昧に記載されているのは、何とでも解釈して当て嵌められるようにするためだと言われています。
都市伝説のようですが、Bbookの仕組み上起こり得ます。
Abookよりスプレッドが開く場合がある
BbookのFXブローカーは、有事の際にAbookよりスプレッドが開く場合があります。
(有事とは指標発表や暴落、暴騰時など予測不能な場面)
予測不能な場面ではトレーダーが予期せず莫大な利益を挙げてしまう可能性があるので、ブローカー側としてはリスク管理をする必要があります。
リスク管理の一環としてスプレッドを大きく開いて『少なく勝たせる、大きく負けさせる』ような施策を講じます。
スプレッドを開いてストップ狩りを行う
Bbookの最大のデメリットは、悪質なブローカーにストップ狩りを仕掛けられる恐れがあることです。
特にショック相場の激しい値動きに便乗してスプレッドを開く『ストップ狩り』には注意が必要です。
冒頭で外国為替市場の仕組みについて触れたとおり、トレーダーはFXブローカーが提供するプラットフォームを『必ず利用する』必要があります。
Abookはリクイディティ(流動性)が提供するレートにスプレッドを乗せて提示しますが、Bbookは市場価格を参考に独自のレートを提示しています。
プラットフォームを通じて全トレーダーのポジションを把握しているので任意のタイミングで『ストップ狩り(ユーザーを負けさせる)』を行うことが仕組み上可能です。
Bbookのブローカーがストップ狩りを仕掛けたかどうかをトレーダーが見分けることは非常に難しいですが、不自然に長いヒゲを引たり、ヒゲの先端で損切りに掛かることが多い場合はストップ狩りが疑われます。
実際、AbookブローカーのチャートとBbookブローカーのチャートは全く違うことが多いです。
入金方法が限られる
Abookブローカーはオーダーをインターバンクに通す必要があるので、ユーザーの資金が実際にブローカー側に着金している必要があります。
そのため入金方法は基本的に海外送金(銀行経由等)に限られ、入金・出金手数料がやや高くなってしまう(片道数千円掛かる)のがデメリットです
Bbookブローカーであればクレジットカード入金等の実際の着金にタイムラグが生じる入金方法でも対応が可能です。
Bbookブローカーの出金規約で『クレジットカード入金額以上の出金は不可』とされるのは、『入金』=『買い物』扱いとしているからです。『出金』を『返品』として処理するので出金手数料が安く感じられます。
どっちのFXブローカーを使うのが良いの?
Abook、Bbookはブローカーの経営方針なので、善悪ではありません。
トレードの資金効率は悪いが破綻のリスクが無いAbook。
トレードの資金効率は良いが破綻のリスクが有るBbook。
というような違いです。
自分のトレードスタイルと信条から選べば良いと思います。
見分け方はあるの?
FXブローカーが自ら『弊社はAbookです。』『弊社はBbookです』と明言することは業界内である意味でタブーとされています。なのでホームページを見たりメールで問い合わせても返事は返ってこないでしょう。
ただ、記事で紹介したとおり、ブローカーの特徴から推察することは可能です。
①スプレッドが狭すぎる
スプレッドが狭すぎるFXブローカーはBbookの可能性が高いです。
インターバンク市場の説明をしたとおり
メガバンク⇒リクイディティ⇒FXブローカー⇒トレーダー
の順にレートが降りて来るためです。
~100倍 | ~500倍 | 500倍~ | |
Abook | 狭い |
やや狭い |
広い |
Bbook | 超狭い | 狭い | やや狭い |
②超ハイレバレッジ取引を提供している
数百倍、数千倍のレバレッジ取引を提供するFXブローカーはBbookの可能性が高いです。
これもインターバンク市場の説明のとおり、Abookブローカーが提供できるレバレッジ取引はせいぜい100倍が限度だからです。
③入金ボーナスや口座開設ボーナスがある
入金ボーナスや口座開設ボーナスなど、入金を促進させるプロモーションをしているブローカーはBbookの可能性が高いです。
トレーダーの90%以上はお金を溶かしてしまうので入金額=ユーザーの損失=ブローカーの利益となりやすいです。
利益分を出金すると比率に応じて付与したボーナスが減っていくのは『もともと無いお金』でこれ以上勝たれるのを防ぐためです。
対するAbookは実入金による取引手数料が収益となるので『もともと無いお金』を配ってトレードさせるメリットが何ひとつありません。
④ロスカットの条件が甘い
ロスカット執行の証拠金維持率が低すぎるブローカーはBbookの可能性が高いです。
理由はAbookのスプレッドがインターバンク⇒リクイディティ⇒ブローカーの順に広くなっていくのと同じで、各金融機関がレバレッジ取引に設けるロスカットラインも下に降りて来るにつれてどんどん広くなっていきます。
なので、本当にオーダーを通しているのであればロスカットを執行する証拠金維持率が高くなければ辻褄が合いません。(個人的に50%以下は低すぎると思います。)
⑤ゼロカット制度を採用している
ロスカット執行の証拠金維持率が低すぎることと繋がりますが、追証が発生しない『ゼロカット制度』を採用しているブローカーはBbookの可能性が高いです。
もちろん、ゼロカットを採用している全てのブローカーがBbookではないし、ゼロカットを採用していなくても国内FXブローカーのようにBbookである場合もあります。
ただ、もしユーザーのオーダーを通しているのであればゼロカット制度は完全に企業努力によってのみ実現できるサービスです。
特にゼロカットを採用している『レバレッジが数百倍』の海外FXブローカーで『ロスカット執行条件が低い(50%とか)』となるとBbookでなければブローカー側のリスクだけが高くなってしまいます。